福井・鯖江のメガネと伝統工芸を次世代に!

このブログは伝統工芸やモノづくりに携わる方、支援している方に読んで欲しいです。鯖江のメガネ材料屋が5年で売り上げ約12倍に売場開拓した経験が少しでもモノづくりに携わる方々のヒントになればと思っております。

鯖江メガネの材料セルロースアセテートの作り方

プラスチック枠の多くを占める材料って知っていますか?

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私たちが普段使っているアクリルとかポリエステルとか
どこにでもあるプラスチックなんじゃないの?
実は原材料は綿花で自然由来樹脂なんです。
その名はセルロースアセテート
今回はそのメガネ材料であるセルロースアセテートについて書きたいと思います。
アセテートはもともと植物繊維から作られています。
「樹脂」と言っても、アセテートは科学繊維ではありません。
実は綿花と高純度パルプから作られた植物繊維なのです。

 原材料は本当に綿花とパルプなんです。 

 インドやアメリカなど海外製の綿花が主流です。
過去にユニクロのフリースが大流行したのご存知ですか?
その時はフリースも原材料は綿花なので材料不足に陥ったこともありました。

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綿花のワタの部分を粉砕 

綿花の綿の部分だけ取り出し
白い綿の部分を粉砕して粉状のパウダーにします。
白いところだけ使います。

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 透明なモチ?

透明なモチのような状態にするために
粉状のパウダーに薬品(可塑材)を3割ほど混ぜ
練りこみます。

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そしてモチ状になったモノに
色粉(顔料)を混ぜ練り込み着色します。


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着色して板状にしたものをツブツブ状に粉砕します。
そしてツブツブをランダムにお風呂にある浴槽のようなものに敷き詰め
蒸気を加えながらプレスして押し固めます
固めた塊をカンナのようなもので薄く鋤いて
乾燥させたら完成です。

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言葉より動画を見てもらった方がわかりやすいです。

セルロースアセテート製造動画

youtu.be

 
セルロースアセテートまとめ

人体、環境にやさしい

植物性の自然素材から作られているので肌に優しくアレルギーも少なく
そのため、肌に直接付けても温かみがあります。
また、植物系素材なので環境にもやさしい材料です。

色柄の組み合わせは無限大

ちりばめたり、寄木のように立体的に組み立てて作られる製造工程なので
色の組み合わせ、形状の組み合わせにより無限大の表現が可能

透きとおるような透明度

透明度が非常に高いので、綺麗に色をつけることができます。
他の石油系の樹脂、ナイロンやポリエステル、ペットボトルの素材などは濁りがあり綺麗な色が出にくい。
それら石油系の樹脂に比べると非常に透明度が高いため、鮮やかな色を表現することができます。

さまざまな形に加工しやすい

植物性なので木のように切削が簡単です。
また熱に弱く、60°の熱で変形をし始めるので曲げたりねじったりも比較的簡単にできます。

柔らかく靭やか
樹脂の中でも比較的に柔らかく靭やかなため、曲げても割れにくいです。
ご自身の顔に合わせたフィッティングが容易に行うことができます。

艶出しが容易
石油系のプラスチックに比べ透明度があり表面が研磨しやすい。
濡れたような独特なツヤもこの材料の特徴です。

若干の吸湿性がある
植物性の自然素材から作られているので水分を微量に吸う性質があります。
梅雨の時期、乾燥した冬の時期に合わせて職人も微妙に加工方法を変えます。

熱に弱く、変形しやすい
自然由来の素材なので熱に弱く、耐久性も他のプラスチックに比べ劣り自然変形もしてしまいます。
そのデメリットを活かしてメガネはカーブを付けられています。
レンズは矯正するだけでなく変形を抑える役目もしています。
テンプルには強度をもたすため骨となる金属製の芯が埋め込まれています。

手作業で手間がかかる上、乾燥に時間を有する
製品として使える乾燥までに1mm=約1週間必要で納期がかかります。
メガネはフロント6.0mm,テンプル4.0mmが使われる場合が多く2ヶ月ほど納期がかかる場合もあります。

 セル枠のほとんどに使われるセルロースアセテート

鯖江メガネ業界用語でアセチと呼ばれることが多いです。
繰り返しになりますが原材料は綿花で添付の工程を経て完成となります。
特徴は植物由来なので肌に優しく、独特な濡れたようなツヤ、鮮やかな発色などがあります。
デメリット植物由来ゆえ熱に弱く、経年変化し、傷つきやすく、アクリルの3倍ほど高いです。
石油系の樹脂が世の中のほとんどを占めるなかなぜこの歴史が古い原始的な樹脂が生き残っているのか。
それは、他の樹脂の追随を許さない色柄メガネには最適なのです。
製造もイタリアの職人の手作りで詳しくは動画をご覧下さい。

【詳しい製造動画・別バージョン】


IVI PRESENTS THE PROCESS, PART 2: MAZZUCCHELLI 1849



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