福井・鯖江のメガネと伝統工芸を次世代に!

このブログは伝統工芸やモノづくりに携わる方、支援している方に読んで欲しいです。鯖江のメガネ材料屋が5年で売り上げ約12倍に売場開拓した経験が少しでもモノづくりに携わる方々のヒントになればと思っております。

グニャグニャ眼鏡ウルテム、TR90の違いって?

どんなメガネをかけていますか?

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 柔らかい素材のメガネとは・・・
踏んでも壊れないというようなメガネがありますね。
小さなお子様にメガネを壊されるので、とにかく耐久性の強いメガネが欲しい、スポーツとかでボールが当たっても壊れないメガネが欲しい。そんなメガネユーザーに知って欲しい豆知識です。

柔らかいメガネ素材の材料特徴

ウルテム:SABIC・本社サウジアラビア 
TR90    :EMS・本社スイス 

素材が共通していること
  • 本社が外資系
  • 原材料が石油系
  • 射出成形※で製造される
  • 金型はが高い
  • 強度な衝撃にも耐える
  • 軽い
  • デメリット:柔らかいためフレームからレンズが飛び出したり、 芯がないためフィッティング(顔のカタチにあった調整)ができない
  • 芯がないためフィッティング(顔のカタチにあった調整)ができない


射出成形

ウルテムの多くはこのようなマークが印刷されているが
一部のメーカーが印刷しているだけでこのマークがなくてもウルテムは供給可能である。
ウルテム

柔らかい眼鏡・ウルテムが売れたきっかけ

実はウルテムのメガネは数年前から存在していたが
当時はオモチャみたいだということで相手にされなかった。
きっかけは某メガネ量販店が大体的に宣伝したことから始まる。

金型が高価なため射出成形が得意な韓国生産がほとんどである。
最近では中国も技術進歩し安価な金型ができ生産も一部できるようになってきた。

鯖江でも昔は射出成形会社がたくさんあったが金型、人件費の安い海外生産に移行していった。
いまでは鯖江に数社と奈良県に存在するだけとなった。
ウルテムとTR90は同じ樹脂系で製造方法※も特性も似ているが
決定的な違いは色、値段、耐熱性である。

※射出成形とは金型を作ってそこにドロドロにした樹脂を流し込み冷えたら製品になる製法です
※韓国にもテグというメガネの産地がある。韓国は射出成形とステンレス加工が得意です。

 

ウルテムの特徴 
  • 異業種が主体
  • メガネの歴史は浅い
  • 材料が黄色の透明
  • 耐久性・耐熱性・柔軟性といった点に優れている
  • 宇宙関連で使用されていた
  • とにかく柔らかいこと
  • 金型が高い

大きく広げたり折り曲げても壊れないため1日中フィットした快適さで過ごせます。
そのため、メガネ界の中では最も注目を浴びる特殊プラスチック素材です。
原材料に濃いカラーを混ぜればクリアーのフレームも製造可能。
成形大国の韓国で13~14年前から塗装、印刷技術を改良させ、進化させてきました。
最近は中国でも真似する工場もあります。
こちらの写真は着色する前の黄色いものです。右の写真は透明な色ができないので不透明な着色をしています。

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TR90の特徴
  • 耐熱性はウルテムより低い 
  • メガネの歴史は古い 
  • 材料は透明
  • クリア系の色が使える
  • メガネの装飾技術が進化している 

主に使われているのが「グリルアミドTR900」。
軽くて、安くフィットしやすいため、数多く商品が出
ていますが、アレルギーを起こしやすいといわれています。また独特の光沢があるためチープなイメージでが技術も進歩し印刷や2層塗装などいろいろな技法が出てきている。

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柔らかい眼鏡ウルテムとTR90の値段の違い

すべてのことに言えますが誕生が古いものは競合先が出て、コピー品が出回ります。そうなると価格競争が激化し価格が落ちていきます。
同じような道理で材料としてのTR90は底値まできている状況である。
ただ、金型の技術も発達してきており、より複雑なデザインができるようになってきた。
今後TR90を使った複雑なデザインを使ったメガネが市場を賑わす可能性がある。
鯖江のメガネ産業の市場が小さくなっているのは、海外産の安い樹脂系が市場シェアを奪っているのが大きな原因である。
残念ながらしばらくこの傾向は続く。
いずれにしても大量に同じ精度のメガネができるので
大手の大量生産向けのメガネとなります。

めがねのまち鯖江は価格競争になる商品を作るのでなく、先人たち自分たちが培った職人技で世界との差別化を図っていくのが世界の鯖江が残る道です。